最後にブラジルの有名なスポーツライター、ジュ-カ・キフ-リが1962年のワールドカップについて綴ったガリンシャの象徴的なエピソードを紹介したい。
ペレがケガをした次の試合、ブラジルはスペインと対戦した。0-1で負けていて試合は既に後半。前回優勝のブラジルの命運もベスト16で尽きる様に見えた。ガリンシャは右サイドでボールをもらい、ついたディフェンダーを一回抜いた。するとなぜか止まり、抜かれたディフェンダーが追いつくのを待ってからまた彼を抜いた。「ガリンシャはなぜパスを出さない!」ブラジルのナレーターは絶叫した。ガリンシャはまたフェイント入れ、今度は二人目のマークがつき、それをも抜く。「でもガリンシャ、ブラジルは負けてるんだ!ガリンシャはボールを持ちすぎてる、何を考えてるんだ!」とナレーターはもう半狂乱。ガリンシャは最後のドリブルを初め、二人を抜いてセンタリング。ナレーターは困惑いっぱい涙まじりの声を出した。「ガリンシャが…ガリンシャが…ガリンシャが…ゴォォォール。ブラジルのゴォォォール。アマリウドだ」。実はガリンシャはドリブルで抜いて、抜いて、誰かがエリア内に現れるのを待っていたのだ。そしてアマリウドが現れたのだった。